コガネカレバタケ(Gymnopus subsulphureus)
ツキヨタケ科モリノカレバタケ属

きのこ観察記録

コガネカレバタケ[2022年(R04)05.03] 阿武隈山地

登山中に発見! 上から見た時、即座に「ニガクリタケだな」と思った。20m四方に束生で地面から散生し、どの束生きのこもよく見るとそのそばには直径10cm前後のかなり腐朽した落枝があった。きのこを引き抜いてみると、ひだが鮮やかな山吹色、柄が橙黄色。これはニガクリタケじゃないなと思いつつ傘を少しだけ咀嚼。「渋みが少しあるけど苦くはないな」と思って1分も経たずに苦味がガッツリ!20分くらい苦みが続き、その後1時間以上舌先がピリピリと痛みを感じた。さすがに「ちょっとヤバイかも」と思ったが、その後何事もなく治まりホッとした。
翌日胞子を確認するも未成熟な子実体のせいか胞子はほとんど確認できず。僅かに確認できた胞子は楕円形。一番気になるのはアルミホイルに包んで丸1日経過したのに、ひだが紫褐色の色合いを表さないこと。
この投稿を「きのこの会情報発信ときのこ好き大歓迎!」https://www.facebook.com/groups/688581588932868
のグループに投稿したところ、いろいろとご教示いただき、コガネカレバタケとのご意見もいただいた。その後図鑑やネットで検索したところ、MushroomExpert.Comの(https://www.mushroomexpert.com/gymnopus_subsulphureus.html)
にコガネカレバタケの詳細が掲載されていて、味はmild or slightly bitter.と記述されていました。実は私は苦みに敏感というか、苦味に弱いです。そのせいでslightly bitter.(わずかに 少し 若干)苦い。の部分を、強く感じたのかもしれない。
Facebookでご教示いただいたことをもとに、傘表皮、縁シスチジア、胞子を検鏡した。
その結果、上記MushroomExpert.Comの記述と合致したので、コガネカレバタケとした。特に傘表皮の菌糸が樹枝状分岐することも確認できた。
Facebook上でいろいろとご教示いただいたことに感謝です。
ちなみに福島県初出とのことで嬉しい😍

肉眼的形態と顕微鏡的観察について以下に記す。
傘 : 直径1~4cm 丸山形→中丘の平ら 平滑 湿性 明るい淡黄色 乾燥すると著しく退色し淡黄褐色-帯黄色になる
ひだ: 上生-(離生)やや密(密 極めて密)(幅狭い)黄色-黄白色(きわめて淡黄白色)
柄 : 高さ2-10cm×直径7mm前後 黄色-基部は帯淡紅黄色 上下同福 時に扁平 基部多少膨らむ 乾燥時に光沢がある 中空 平滑 基部に白色菌糸あり
肉 : 薄い 淡黄白色-淡黄色
臭いと味: 特有のにおいはない 味は(温和)-やや苦い(初め渋み後苦い)

呈色反応: (傘表面のKOH反応は変化なし)

胞子紋: 白色

顕微鏡的形態について
胞子サイズ: 5-6.5 x 2.5-3.5 µ 表面平滑
縁シスチジア:様々な形態があり
傘表皮  : 傘表皮のもつれた樹枝状分枝菌糸

胞子紋は白色

胞子サイズ一覧表

縁シスチジア

傘表皮のもつれた樹枝状分枝

傘表皮のもつれた樹枝状分枝

傘表皮のもつれた樹枝状分枝

傘表皮のもつれた樹枝状分枝

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