野鳥撮影機材

カメラ・レンズ・三脚(雲台含む)など

 最新の撮影機材(カメラ・レンズ・三脚)は2020年(R02年)4月から、カメラCanon7D+レンズシグマ150-600mm+三脚ジッツオGT2532 [マウンテニア三脚 2型 3段]+雲台マンフロットMVH502AHを使用しています。この機材以前は2013年(H25)3月30日から2020年(R02年)3月末まで、カメラCanon7D+レンズCannonEF 500/4.5 L USM+三脚ジッツオGT3532LSV+雲台ザハトラーFSB6を使用していました。変えた理由は飛島などでカメラ・レンズ・三脚一式を担いで歩くのは、体力的に困難になったためです。簡単に言うと重くて持ち歩けなくなったのです。

 さてこのブログをお読みの方で、野鳥撮影カメラ(レンズ三脚一式)などの選択で迷われている方へ、私の経験からの参考意見を書かせていただきます。
 野鳥観察のベテランの方であっても、撮影の初心者の方にはデジスコをお勧めしません。以下に詳細が書きましたが、ピント合わせが手動なので撮影チャンスを逃す可能性が極めて高いです。逃したチャンスがいわゆる珍鳥だったら悔しさは計り知れないです。デジスコよりはデジカメの望遠タイプをお勧めします。しかし、デジカメはAF(オートフォーカス)とレスポンスが一眼レフに比べかなり遅いです。レスポンスが遅いことにより何が起こるかというと、タイミングよくシャッターを押したつもりでも、野鳥が飛び去った後でシャッターが切れるようなことが起きます。また、AFが遅いので樹上で動き回る野鳥にはなかなかピントが合いません。
では、一眼レフカメラを購入するのであれば、どこの何機種が良いのでしょう。野鳥撮影に限って言えば、メーカーはこれはもう圧倒的にCanonです。カメラは生産中止になった一眼レフ7DmarkⅡ、今後の主流となりそうなミラーレス一眼レフEOS R5が良いです。ただし価格が極めて高いのでお財布に余力のある人向けです。レンズはCanon純正の短焦点レンズ500mmを購入すると満足できますが、カメラのキタムラの中古品でも相当高価です。ギリギリ我慢できる範囲で(我慢できるかどうかは個人の主観になります)シグマ150-600mmです。中古であれば何とか手にできそうな価格です。さて、私が野鳥撮影で最も重視しているのは雲台です。500mm以上のレンズで野鳥撮影するのであれば、ザハトラーのFSBシリーズ(FSB4かFSB6)を購入すべきです。超望遠レンズの野鳥撮影者のほとんどは油圧式のビデオ雲台を使っています。私も現在はザハトラー雲台から変えて、ビデオ雲台を使っていますが、今は後悔しています。一般的なビデオ雲台が“油圧式”であるのに対して、ザハトラーは“機械式”です。機械式は油圧式に比べ、滑らかさの点で劣ると思われる方がいるかもしれませんが、全くそのようなことはありません。機械式の方が滑らかです。油圧式のビデオ雲台を何台も使ってみましたが、移動の激しい野鳥を撮影するとき、レンズを水平あるいは上下、斜め方向に素早く動かす必要があります。ビデオ雲台は動き始めが硬い(突っかかり感がある)ので、特に水平方向の転回に支障が出ます。そして転回後に止めても、油圧式雲台はピタッと止まらず微妙に揺れています。この動きは肉眼では分からないのですが、素早くシャッターを押して撮影した写真は、パソコンの大きい画面で見るとほとんどブレています。さらに最大の欠点は低温時(冬期)は動きがかなり硬くなり、高温時(夏季)にはゆるゆるになります。春秋期は使い始めは硬いのですが、使っているうちにゆるゆるになってきて、調整がかなり難しいです。私のパートナーはCanon400mm+エクステンダーを使っていますが、雲台をザハトラーFSB4を使い始めてから、ブレ写真がほとんどなくなりました。
レンズも雲台も高価なので、予算に余裕がないのであれば、信頼できる中古店から購入することをお勧めします。

以下に撮影機材の変遷を過去から遡って記載します。

 鳥見を始めて15年間ほどは、ただひたすらスコープと双眼鏡で鳥を見て楽しむだけでした。
平成15年前後の頃に、デジスコで鳥を撮影している人たちが居ることをネットで知りました。早速機材を購入して、鳥見をしながら撮影も始めたのですが、私にとって、このデジスコは大変難しいものでした。
私にとってデジスコの最大の難点は、ピント合わせが手動(マニュアル)であるため、私にはどうしてもうまくピントを合わせることができないことでした。また、撮影倍率が高いので、機材ブレが著しくてブレ対策にも悩まされました。
ネットに公開されている取り付け機材などの自作を参考に、私自身も自作を繰り返しました。さらにはコンデジも良いものが新発売されたとの情報も多く、コンデジも何台か買い換えました。

 私が使用したデジスコの第1世代です。(手元に画像が無かったので、龍ヶ崎バードウオッチングクラブのデジカメ・アダプター(デジスコ)龍ヶ崎BWCオリジナルに載っている画像借用しました。 )
この仕掛けは龍ヶ崎バードウオッチングクラブの方に制作して頂きました。通常はスコープで鳥見をして、撮影したいときにアームに付けてあるカメラをセットして撮影します。この仕組みは大変理にかなっており、鳥見と撮影の両方を楽しむことができました。これで満足しておけば良かったのですが・・・。

第2世代は写真がありません。
 第1世代で満足しておけば良かったのですが、「もっと良い写真を撮りたい。」と思い、スコープでの鳥見は不便になりますが、ニコンのデジスコセット機材を購入しました。しかし、マニュアルピント合わせがどうしてもうまくいきません。ネットで検索すると、光軸やら、カメラの性能やら、いろいろ書かれています。ここから底無し沼にはまってしまいました。

 デジスコやさんからデジスコセットを購入し、雲台も自作し始めました。下記が自作品ですがこれは失敗作です。ブレが治まりませんでした。

Kdsburogu2

 第3代のデジスコ機材です。某メーカーの製品をばらし自作し直したものです。このセットはかなり重く、持ち運びに難儀するほどでした。

Dejisuko1
Dejisuko12

  第4世代は少し軽くなりました。こちらの雲台も某メーカーの製品をばらし、自作し直したものです。

Kdsburogu1

ここまでやって,私にはデジスコ撮影は無理だと諦めました。

 平成20年にパナソニックのFZシリーズ購入しました。デジスコは止まっている鳥の撮影も難しいので、飛んでいる野鳥の撮影は全くできませんでした。
そのための対策としてパナソニックのFZシリーズを購入し、少しの間、併用していましたが、デジスコ撮影は完全に止めてしまいました。
初めて飛びもの(ウミネコやヒバリ)も撮影できたときは感動でした。

Uminekofz2004203
Hibarifz2004201

しかし,このFZシリーズはシャッターレスポンスが、野鳥撮影には遅すぎてイライラさせられました。

そしてついに,キャノンデジ一眼レフカメラ50Dと400㎜F5.6を購入しました。
このレンズとカメラで野鳥を撮影したときは、AFとシャッターレスポンスの速さには感動しました。
クロハラアジサシやハヤブサ、チョウゲンボウも撮ることができました。

Kuroharaajisasi2106283
Hayabusakakudai2109261
Tyougenbou2109055

しばらくは満足してこのレンズで撮影を楽しんでいました。
しかし、あるときパートナーのFZシリーズで撮影した画像と見比べてみると、倍率が低くて見劣りするのです。400mm F4.5は1.4エクステンダーを付けるとAFが使えないので小鳥類は特に見劣りしました。
かなりショックでした。一方で私のパートナーもFZシリーズのシャッターレスポンスの遅さと、400-5.6に比べた発色の悪さに不満を持っていました。

そして、,平成24年ついに中古ですが、500mm F4レンズを購入しました。
雲台は以前から使用していた、ジッツオビデオフルードビデオ雲台G2380と三脚も以前から使用していた、ベルボンELカルマーニュ635でした。
耐荷重的に無理があるかなと思いつつ使用していましたが、どうしてもぶれているようで、シャープさ(いわゆるキレ?)がありません。

そして三脚と雲台を替えたのです。思い返せば遠い遠い回り道をしてきました。
500mm+7D+ザハトラーFSB6+ジッツオGT3532LSVです。

Webh25032

三脚についてはマンフロットのMPROカーボンファイバー 3段 ビデオ三脚535を購入予定でした。値段が安いのと三脚足の伸縮がレバー方式なので、ほぼこの三脚に決めていました。ところが、よくよく確認してみると、この三脚のハーフボールとザハトラーFSB6雲台のボール部分寸法が少し違うようで、ザハトラー純正三脚使用時に比べ、やや浮いた感じになるそうです。(マンフロットジャパンに確認)もちろん使用には問題ないそうです。
このことが気になったために、購入直前でジッツオGT3532LSVに変更しました。

 当初はデジスコは軽い、倍率が高い、機材費が安いとのことで、超望遠レンズを購入せずデジスコを始めました。
しかし、倍率が高いのは確かですが、口径が小さいので解像度が低いのです。
「デジスコは鳥が大きく撮れる」とよくネットに載っています。確かに大きく撮れるのは間違いありません。ただ、私は「大きく撮れる」ことと「解像度の高い画像が撮れる」ことは全く違うということを理解していませんでした。
鳥の羽軸までクッキリと撮るには、レンズの口径と被写体までの距離によるそうで計算式があるようです。(ネットで公開していたが、今も公開しているか不明)
つまり、口径が小さいのに単に倍率の高いレンズでは、鳥を大きく写すことができるが、それは解像度の低い(羽軸まで写らない)画像になると言うことです。また、機材費が安価とのことですが、望遠鏡は高価ですし、カメラとの接続部品などもいろいろ購入する必要があります。カメラも何台か買い換えました。結局回り道をして、無駄な投資になってしまいました。

 誤解されないようお願いしたいのですが、デジスコが悪いと言っているのではありません。
私の場合はデジスコのマニュアルピント合わせができなかったこと、いわゆる飛びものの撮影が至難の業であること、さらには撮影画像についに満足できなかったことで、デジスコからレンズ撮影に移行したのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました